日東工業(株)における活用事例

電気が見えてくる⁉ 電気教室 炊飯器になりきろう

日東工業株式会社 技術研究部 研究グループ 課長 宮本 淳史※

※2014年からJEMA理科教育支援委員会(当時は WG)のメンバーとして、
小学校の教員や教育大学の学生に、理科教育支援プログラムの講師として登壇

1.はじめに

2023 年 8 月 1 日、日東工業株式会社(以下、当社)は「電気が見えてくる ⁉ 電気教室 炊飯器になりきろう」と題して、愛知県長久手市在住の小学生 20名を対象に、2023 年度、第 1 回目の電気教室を開催した。
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)理科教育支援委員会のメンバーである筆者が講師となり、理科教育支援プログラムの「プログラミング学習編」を活用し、炊飯器を用いたお米の炊き方を通して、プログラミング的思考を小学生に理解・体験してもらった。

2.活動のきっかけ

当社では黒野 透 取締役社長 COO を責任者とした、社員の「働きがい改革プロジェクト」があり、社員自らチームを編成し、さまざまな企画案が経営層に提案されている。今回の「電気が見えてくる ⁉ 電気教室 炊飯器になりきろう」も企画案の一つとして提案され、承認されたものである。

3.活動目的

3.1 地域貢献

愛知県長久手市に本社を置く当社として、地域社会における子どもたちの夏休みイベントを通して、小学校や学年を越えた交流の場を提供し、子どもたちの健全育成に貢献している。同市内の小学校 6 校(4、5、6 年生)を対象に参加を募ったところ 66 名の応募があり、厳正に抽選した結果、全小学校、全学年の男女20 名を選出した。

黒野 透 社長 あいさつ 黒野 透 社長 あいさつ

授業風景 授業風景

3.2 電気の楽しさを伝える

夏休み期間中に計 5 回の電気教室を予定しており、今回の「炊飯器になりきろう」以外にも「リニアモーターカーを走らせよう」「電波を受信! ラジオを作ろう」等を通して、電気実験のドキドキ、電気工作のワクワクを体験してもらうことで、子どもたちに電気の楽しさを伝える。

子どもたちの様子 ① 子どもたちの様子 ①

子どもたちの様子 ② 子どもたちの様子 ②

3.3 社員の働きがい

2019 年、黒野社長が日々の業務に追われる社員の姿を見て、働き方を含めた「働きがい改革プロジェクト」を発足。社員自ら働きやすい職場、働きがいのある仕事を企画、提案している。

4.電気教室「炊飯器になりきろう」

長久手市の小学校 6 校から 4 年生 8 名、5 年生 8 名、6 年生 4 名が参加。学年別に 4 名ずつ 5 チームを作り、炊飯器になりきって発熱の実験に取り組んだ。
スイッチ一つでおいしいご飯が炊ける炊飯器の仕組みを紹介。実際に電熱線や温度計、ストップウォッチなどを用いて、炊飯器と同じ温度制御を目指して目を輝かせながら実験に取り組む姿が見られた。事前に考えた作戦がうまくいかず、温度が高くなりすぎるチームが続出。実験結果をチームで考察し、二度三度と作戦を改良しながら実験を繰り返す真剣な表情から、電気の楽しさが十分に伝わっていると確信した。
また、子どもたちが実験を繰り返している横で、社員による実際の炊飯実験も行い、電気教室の最後には、おいしく炊けたご飯を試食して喜ぶ姿も見られた。

講師(筆者) 講師(筆者)

おいしいご飯を試食中 おいしいご飯を試食中

5.おわりに

小学生を対象とした電気教室は当社として初の試みであり、計 5 回の連続参加という条件にもかかわらず、20 名の募集に対して 66 名もの応募があった。より多くの子どもたちに電気に興味を持ってもらえるよう、今回の企画をきっかけに今後とも地域貢献に取り組んでいく。

(『電機』2023年10月号より転載)

ページトップへ