「高圧インバータ用ケーブルの適用状況調査及びその考察」について
シールド線の接地方式別EMC観点での検討及びケーブルシースの電気的寿命推定
2005.01.27
近年、低圧インバータ用の電力ケーブルに関する検討が進み、IECを中心に規格化が進展している。ところが、高圧インバータ用の電力ケーブルに関しては低圧インバータと同様なケーブルの製作が困難である為か検討が進展していないと考えられる。
以上の背景より、JEMAで検討WGを発足し現在まで約3年間本件につき検討し、“高圧インバータ用ケーブルに関する調査報告”をまとめた。
この報告書では、その結果について整理し、今後の高圧インバータ用ケーブルの採用、使用基準に指針を与え、EMC観点での検討も加えて高圧インバータの納入ユーザを含めて産業界に貢献することをその目的としている。
ケーブル自体の変更もWG内で議論したが、現在一般的に採用されている高圧電力ケーブルCV、CVTを採用していく方向で検討しなければコスト的に工事自体が成立しないという意見が多く、現在使用しているケーブル(CV、CVT)で議論、検討することを取り決め本WGがスタートした。
以下に報告書の概要をまとめる。
高圧インバータへのCV、CVT適用時の課題
- インバータを構成するスイッチング素子のスイッチング時に出力電圧が急峻に変化しこの際に、瞬間ではあるがシールドに対し電圧を発生する現象があることが確認された。シールドの接地方式によるこの電圧のケーブルへの影響を評価する必要がある。
- EMC観点での望ましい接地システムの検討
本WGでの検討結果
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シールドの接地:
複数の方式があることが分かった。 -
シースV-t寿命試験の結果:
現状の各社のケーブル使用方法では、シース材の経年劣化を想定してもフィールドでの長期使用に実用上問題はないと考えられる結果が得られた。 -
人体に対するシールド電圧の影響:
主回路素子のスイッチングの瞬間、シース-対地間に電圧が印加されるがこの瞬間の過渡電圧の人体に対する影響を審議した。参考とした文献、資料からは限りなく影響なしとの結果ではあるが、万一を想定して工事などの活線状態でシース表面に触れる場合は、絶縁手袋の着用を推奨することにした。また、通常は、ケーブル敷設場所近傍にシース表面を素手で触ると危険である旨の注意表示をすることを推奨する。 - EMC観点での接地方式: CV、CVTケーブルの場合、実測とシミュレーション検討の結果、終端部でシールドが線間で接続されていれば高周波電流は各相のシールドを経由してインバータに帰還され殆ど外部に漏れる事が無い事が判った。EMC観点ではこれを積極的に利用した接地の敷設方式が望ましい。この場合、外部に専用接地幹線を設ける理由は地絡事故時などを想定したアースが必要な場合である。