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電気冷蔵庫

最新冷蔵庫の基礎知識

フロン規制への対応とノンフロン冷蔵庫の普及

冷蔵庫は冷却を行うため蒸発と凝縮を繰り返す作動流体として、フロン系の冷媒を使用していました。また、断熱材の性能を向上させるためにもフロン系の発泡剤を使用してきました。地球環境問題への対応の中でも大きな変革を果したフロン規制対応について、歴史を追って対応技術の移り変わりを簡単にご紹介します。

1930年頃から冷媒や発泡剤に使用されていた特定フロンは、成層圏に有るオゾン層を破壊することが判明しました。その結果、有害な紫外線が地球に到達し、皮膚ガンや作物の枯れ死などを招くことから、その使用を制限する国際的な動きが1980年代に活発になりました。日本では1988年に制定された「オゾン層保護法」によって1995年末に特定フロンは日本国内で製造ができなくなりました。

冷蔵庫も1995年末までに、オゾン層を破壊しない代替フロンの一つであるHFC134a※1 に冷媒を替え、冷却システムや潤滑油を変更して従来と同等の性能と信頼性を確保した商品を開発しました。さらに、断熱材に使われている発泡剤も代替フロンや炭化水素(シクロペンタン)に替えてオゾン層を破壊しないようにしました。

また、オゾン層破壊阻止に努める一方、地球温暖化への対策として、代替フロンに代わる新しい冷媒を適用するための研究開発も進めて来ました。

<地球温暖化とは…>
太陽光で暖められた地表の放射熱は、大気中にある二酸化炭素や化学物質であるフロン等の温室効果ガスに吸収されます。温室効果ガスは適度に地球を暖めてくれますが、必要以上に大気に放出された温室効果ガスは、大気そのものの温度を上昇させ、地球全体の平均温度が上昇します。
この地球温暖化が進むと、集中豪雨や干ばつ等の異常気象の増加や、極点の氷が溶けて海面が上昇するなどの恐れがあります。

消費者の方々の地球温暖化影響に対する関心も高く、1997年末に京都で開催されたCOP3※2で、温暖化の主因CO2以外にも冷蔵庫の主要冷媒として使われている代替フロンのHFC134aを含む6物質※3が、温室効果ガスに指定されました。

そこで、代替フロンに代わる新冷媒検討の中で、業界としてはオゾン層破壊がなく、地球温暖化係数が代替フロンの約1/400である炭化水素系冷媒R600a(イソブタン)を使用した冷蔵庫の発売に踏み切り、最新の大形冷蔵庫の殆どに採用されるなど、スピーディーな普及にも成功致しました。

  組成 オゾン破壊への影響 地球温暖化への影響
CFC類
(特定フロン)
塩素・フッ素・炭素を含む化学物質 あり あり
HFC類
(代替フロン)
水素・フッ素・炭素を含む化学物質 なし あり
HC類
(ノンフロン)
炭化水素 なし 極少

R600aは可燃性ですが、欧州では十数年前から冷蔵庫用冷媒として使われています。可燃性冷媒を先行使用した欧州の冷蔵庫の容量は、大形冷蔵庫でも大半が350L前後と比較的小さいのが特徴で、冷媒充填量も少なく、冷気自然対流方式(直冷式)が主流であるため、庫内に万が一冷媒がもれたときの着火源となりうる電気部品も殆どありません。

対して、日本では500Lクラスまで大容量化して冷媒充填量も多く、多湿な風土に対応して自動霜取機能がついている冷気強制循環方式(間冷式)の冷蔵庫が一般的で、霜取りヒーターやファンモーターなど電気部品も多数あります。そのことから、可燃性のノンフロン冷媒の適用には流通時・使用時・修理時の安全性確保に関る次の課題に対する固有技術の確立が必要でした。

  • 冷却性能を確保した上で、冷蔵庫への冷媒の封入量を最少化する
  • 溶接箇所などを削減して、冷媒が漏れない構造とする
  • また万が一、冷媒が漏れても着火しない電気部品を採用する

そこで、冷蔵庫業界ではJEMA((社)日本電機工業会)において、日本の冷蔵庫にR600aを使用する場合の安全性に関して十二分な検討を積み重ね、製品の“安全性に関する自主基準”及び“流通・修理・廃棄時の安全性に関する自主基準”を2001年末に策定しました。この二つの技術基準に基づき、地球温暖化に対する影響が極めて小さいノンフロン冷媒を、冷気強制循環方式の冷凍冷蔵庫に適用する技術を開発し、2002年のはじめから順次ノンフロン冷蔵庫の発売がはじまり今では主流になってきています。

  • ※1:オゾン層を破壊しない代替フロン類の一種。水素(H)とフッ素(F)、炭素(C)の化合物(HFC)で、オゾン層破壊の原因である塩素(Cl)を含まない。
  • ※2:国連気候変動枠組条約第3回締約国会議
  • ※3:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC134aを含むHFC、PFC、六フッ化硫黄
  • ※4:一般社団法人 日本電機工業会・(社)産業環境管理協会 調べ