電気を語ろう!第9号

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JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう!第12号

理科教育支援ワーキンググループのメンバーのコラム、JEMA の理科教育支援活動をサポートしてくださる方々からのメッセージを紹介します。

あなたも魔法使いになりませんか

今は携帯電話が普及し、すっかりすたれてしまいましたが、アマチュア無線は電波を使って遠く離れた人と会話ができる手段として一時は多くの利用者がいました。

私がアマチュア無線の免許を取得したのは高校1年の夏休みでした。免許が取れるとすぐに中古の無線機を購入し屋根にアンテナを立て一緒に免許を取得した友人と交信を開始しました。友人の家とは自転車で40分ほどの距離がありましたが、電話で話すのと変わらない状態で交信ができました。毎晩夕食を済ませると決まった周波数で交信を開始し、宿題の答え合わせをしたり、時には悩みごとを相談したり、たわいもない話を深夜近くまで語りあったものです。時折、長距離トラックの運転手さんが交信に加わり、「学生さんも勉強で大変だね」などと慰められ、私達も「深夜の運転お疲れ様です」などと返答したり、また、後輩達が免許を取って交信の仲間に入ってきてローカルな話題で盛り上がったり、別の高校に通う学生や遠くの町の見知らぬ人との交信なども有ったり、振り返ってみれば多くの知り合いができ、語り、アマチュア無線を通じてとても良い経験をしたと思っています。

固定電話はもちろんありましたが、何十キロ何百キロも離れたところにいる人とでも電話代を気にする事も無く、クルマで移動中の人とでさえ会話ができ、お互いを気遣いそれが瞬時に伝わる。無線技術を確立した先人達の知恵と努力に敬服させられると同時に、自分にまるでテレパシーや魔法の様な能力が備わった感覚を存分に楽しみました。

人は元来自分にない能力に憧れます。遠くの人と話がしたいという事の他にも、暗闇を明るく照らしたい。暖を取りたい。暑さを和らげたい。目に映るもの耳に聞こえるものを記録したい・・・。これらの憧れは、電気や電波に代表される技術手段という魔法によって、その能力を手に入れる事ができるのです。

アマチュア無線の経験をきっかけに、私はその魔法を自由に扱える魔法使いになりたいと思う様になり、そして気が付けばテレビ設計を職業とする魔法使いの端くれになっていました。

魔法使いになる道のりは決して楽ではないかもしれませんが、努力をして学んだ魔法は多くの人たちが待ち望むものを実現するはずです。また、1人の魔法使いではできない事も多くの魔法使いの協力によって実現し人々を幸せにすると思います。それはとても素敵な事です。

あなたも、素敵な魔法使いになりませんか。

一般社団法人日本電機工業会 理科教育支援ワーキンググループ 委員 鈴木 海彦
[ シャープ株式会社 東京支社 渉外部 係長 ]