電気を語ろう!第9号

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JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう!第10号

理科教育支援ワーキンググループのメンバーのコラム、JEMA の理科教育支援活動をサポートしてくださる方々からのメッセージを紹介します。

みんな大好きな理科の実験、失敗は成功のもと

私がJEMAの理科教育支援活動に参画(2011年7月)してから2年近くになります。理科教育セミナーでは、たくさんの先生方と蓄電、発熱の実験を一緒に行いました。私は実験を行うことで、「どうなるのだろとわくわくしたり」、「疑問がわいたり」、「失敗もしたり」、そしてまた「一緒に考えたり」、「本やWebを調べてたり」という幅広い科学的思考プロセスの「楽しさ」、「おもしろさ」の原点がダイレクトに実感できるのではないかと感じています。

原点というと、1960年、1970年代のアニメ、映画の世界での「夢」「あこがれ」であった、「会話したり、映像が見れる腕時計」、「宇宙ステーションでの滞在」など、たくさんのことが今、実現されています。これら「夢」の実現も地道な科学的思考プロセスの積み重ねではないでしょうか。

話は変わって、私の小学・中学生時代の趣味に「アマチュア無線」がありました。きっかけは、小学校の時に欲しかった「トランシーバー」、科学の雑誌でみた「無線機」が1960年代のアニメと重なって、「楽しそう」、「かっこいい」と感じたからです。また当時、学習研究社(現、学研ホールディングズ)が発売した「電子ブロック」(※抵抗とかトランジスタなど何種類かのブロックを並べるとラジオが出来たり、音が出たりする玩具)がどうしても欲しくて親に駄々をこねたことも覚えています。学校での理科では、実験や工作がとても楽しみでした。銅線をぐるぐるまいて電磁石を作って、クリップをどれだけくっつけられるかとか、砂鉄で模様を作ったりしたことを覚えています。

アマチュア無線機

小・中学校時代の電気への興味から、私は、電気製品を製造する会社に入社し、開発の仕事をしてきました。皆さんのどこのご家庭にもある冷蔵庫の心臓部であるコンプレッサー(※気体を圧縮する装置)の開発です。実のところ、入社して開発担当をするまで、私自身どうして冷蔵庫が冷えるのか知りませんでした。最初は、コンプレッサーの部品をばらばらにして、自分の手であれこれ動かしてみて、この部品はどう動くのかとかなど、まるで子供の頃、学校の教材や、プラモデル、おもちゃをいじりまわした感覚で勉強したことを覚えています。

冷蔵庫のコンプレッサー

私の開発の仕事をご紹介します。例えば、「省エネ向上開発」です。開発メンバーで、「省エネ」のために、コンプレッサーのどの部分の「効率」をどんな工夫で高めようかと議論して「予測・推測・結果考察」をします。そして「実験」して、予測する効果が得られるか確かめます。実は、「失敗」もたくさんしています。「良い」と思った改良が逆に「大幅な効率低下」になってしまうこともあります。ところが、開発の面白さは、意外と「失敗してわかること」が多いことです。何故、「良くなる、うまくいく」と思ってやったことが、全く逆の結果になったのかを、メンバーであれや、これやと議論します。そのような繰り返しの中から新しい発見が生まれたり、新しい技術が出てきたりもします。これらの積み重ねも今日、世界トップクラスの省エネルギー技術を有する日本の電機産業を支えているように思います。

今日、1960年、70年代と比べると電気・電子機器の技術は高度に複雑化しており、いわゆるブラックボックス化により製品を見ただけでは理解しにくい側面もあるかもしれません。しかし、全ての製品をより高度化していく源泉は、子供の時に抱く「好奇心」「興味」であり、「観察」・「実験」・「資料」・「データ」などから自分達で考えて組み立てていく「科学的思考プロセス」ではないかと思います。

電気は目に見えないけれども、是非、理科の実験を一緒に楽しみましょう。初めての実験は、誰でも不安で、教科書どおりにうまくいくだろうか心配かもしれません。でも、何をやるにも最初は不安なものです。失敗を恐れずにやってみましょう。JEMAのプログラムの中には、ワーキンググループのメンバーが実際に作って、実験して、失敗した経験のアドバイスも入れています。JEMAの「小学校6年の理科教育の単元は「電気の利用」プログラム」が少しでも先生方、ご家族のご参考になり、また、セミナーで一緒に実験を体験することで、子供達と同じ目線で、電気の実験をする楽しさを再発見するきっかけになればとてもうれしく思います。

最後に、うまくいっても、いかなくても、楽しんで、いろいろ考えるのが「理科の実験」、さあ一緒に楽しみましょう。

一般社団法人日本電機工業会 理科教育支援ワーキンググループ 委員 喜多 一朗
(パナソニック(株) アプライアンス社 広報・渉外グループ 参事)