電気を語ろう!第7号

メニューをスキップ

JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう!第7号

理科教育支援ワーキンググループのメンバーのコラム、JEMA の理科教育支援活動をサポートしてくださる方々からのメッセージを紹介します。

「周波数の違う電気をどうやってつないでいるの?」

JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう! 第7号 私は、日立製作所に入社以来ずっと電力の仕事に携わってきました。その中で印象深いもののひとつは、直流送電の仕事です。約10年間で3つのプロジェクトに係わりました。

さて、普段私たちが目にする送電線はほぼ間違いなく交流ですが、それでは直流送電はどこにあるのでしょうか。

直流送電が使われるのには、いくつかのケースがあるのですが、日本では主に二つです。ひとつは、海を挟んで大電力を長距離送電するケース。もうひとつは、異なる周波数を接続(連系)するケース(周波数変換)です。ここでは、今話題の周波数変換のケースについて少し話そうと思います。


JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう! 第7号東日本大震災以降、万一の場合に備え、電力会社間の電力融通をもっと増やそう、増やさなければならない、と言われていますが、周波数の違う電気(電力系統)を接続するのは、簡単ではありません。そこで登場するのが直流を介しての周波数変換です。

ご存知の方も多いと思いますが、日本はひとつの国にふたつの周波数の電力が存在する珍しい国です。おおよそ富士川(静岡県)・糸魚川(新潟県)を挟んで、東が50Hz、西が60Hzになっています。なぜそうなったかというと、明治時代に電力事業を始めた東京と大阪の会社が、それぞれ異なった国・メーカの発電機を導入したからです。具体的には、東京電燈は、ドイツ・AEG社の発電機を、大阪電燈は、アメリカ・GE社の発電機を採用し、その後これらを中心にして東日本、西日本がそれぞれの周波数に集約していった結果、そうなってしまった、ということです。

残念なことに周波数の違う電気(電力系統)はそのままでは繫げません。だから、東日本で電気が足りないからといって、西日本の電気を東日本に送ることは簡単にはできない(その逆も同じ)のです。そこで、いったん直流に直してから別の周波数に変える(50Hz⇔直流⇔60Hz)ことになります。これが周波数変換、そして、それを行っているのが周波数変換所といわれる設備です。周波数変換を行う要となる装置をサイリスタバルブといいます。

現在、日本では3箇所の周波数変換所(Jパワー/佐久間、東京電力/新信濃、中部電力/東清水)が運転中なのですが、今後はこれをもっと増やして、更に多くの電気を融通しあえるようにしよう、という議論が行われているわけです。

普段はめったに目にすることはありませんが、大切な役割を果たしている周波数変換所があることを覚えていただけるとうれしいです。

サイリスタバルブの外観 (東京電力殿 新信濃新1号)
寸法:幅6.6m×奥行3.2m×高さ4.5m、 質量:22t×三相

一般社団法人日本電機工業会 理科教育支援ワーキンググループ 委員 上田 純
(株式会社日立製作所 電力システム社 電機システム事業部 企画本部 企画業務部長)