電気を語ろう!第6号

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JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう!第6号

理科教育支援ワーキンググループのメンバーのコラム、JEMA の理科教育支援活動をサポートしてくださる方々からのメッセージを紹介します。

「電気って何、どうやって出来るの?」

JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう! 第6号電気スタンド、家の明かり、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、パソコン、ゲーム機、私たちのまわりには電気製品がたくさんあります。コンセントにつないでつかうもの、コンセントから充電してつかうもの、または、電池で動くもの。

電気って見えますか? 見えなくても、コンセントからケーブルで流れたり、充電されたり、電池の中に蓄えられたり、やはり、そこにはあるのです。

いったい、電気って何でしょう。 電気って見たことありますか? 電気が見られるもの、そうそれは雷です。今から260年前(1752年)ベンジャミン・フランクリンは雷を伴う嵐の中で、たこを揚げる実験を行い、雷が電気であることを示しました。しかし、その電気の正体が判ったのは今から約110年前の1897年にイギリスの物理学者トムソンによってだそうです。ちなみに、エジソンが白熱電球を発明した年より20年後のことです。

さて、世の中すべての物は、小さく小さく分解していくと、最後に原子となりますが、その原子の構造は、中心にプラスの電荷を持った"原子核"と、その周りをマイナスの電荷を持った"電子"が飛び回っています。いつもは、原子核のまわりをまわっている電子が刺激を受けることで、原子核のまわりの軌道から飛び出してしまいます。この飛び出した電子のことを"自由電子"といい、この自由電子が動くことで、"電子の流れ=電流"が生まれて、それが電気になります。

一方、電気が起きる仕組みは、その66年前の1831年にイギリスの学者ファラデーよって発見されました。 金属の線をぐるぐる巻いたコイルの中に磁石を通してやると、その磁力で、金属線の中で自由電子が一定の方向に流れることが分かりました。また、磁石の動きを速くすると、それだけ強い流れができて電気が強くなります。 しかし、磁石をす早く動かすのは大変なので、コイルの方を回すことを考えました。今、大きな発電機はほとんど、磁石の中でコイルを回して電気を取り出す方式となっています。これを言い換ええると、運動エネルギーである回転エネルギーを、電気エネルギーに変換しています。

このように、非電気エネルギーを電気に変換することを "発電"と呼びます。そして発電する機械を"発電機"と呼びます。 更に、この発電機に回転エネルギーを与える役目を担うのが、蒸気タービンや、エンジンや、水車や、風車となります。1884年にチャールズ・アルジャーノン・パーソンズが蒸気タービンを発明して以来、今では全世界の約80%の電力を、何らかの熱源により蒸気タービンを回して発電しているそうです。 私は、今は技術管理部門に所属していますが、元は、この蒸気タービンシステムのプランニングの技術者です。 蒸気タービンは120年以上の歴史を持つ技術ですが、これだけ世の中の役にたっている技術であることに嬉しさを感じています。また、長い歴史を持つ技術ですが、常に新しい技術をそこに取り入れていく努力が続けられています。

(写真: (株)東芝 提供)

さて、発電機を回す回転エネルギーを何から得るかによって、発電方式は以下のように様々な種類があります。

火力発電 火力発電は、主に化石燃料の燃焼により熱に変換し、さらに運動エネルギーに変換する発電。 熱を得る方法、熱から運動を得る方法により下記に分かれる。
 

汽力発電 : 石油・石炭や天然ガス(NG)等をボイラで燃やして水を熱し、そのときに発生する高温高圧の蒸気で、タービン(羽根車)を回し、発電機を回す、外燃システム。

ガスタービン発電 : 蒸気(水)の代わりに高温高圧に圧縮加熱したガスを使い、タービンを回す内燃機関。

コンバインド・サイクル発電 : 汽力発電とガスタービン発電を組み合わせた、複合システム。

原子力発電 ウラン燃料からでる熱で蒸気をつくり、この蒸気の力でタービン(羽根車)を回し、発電機を回す。火力発電がボイラーで蒸気をつくるのに対し、原子力発電は水の入った原子炉の中でウランの核分裂を起こし、その熱で蒸気をつくります。また、ウラン燃料は繰り返し使うことができます。
水力発電 水が高いところから低いところへ落ちる力を使って水車を回し、発電機を回して電気をつくります。水車を回すには多量の水を必要とするので、川にダムを造り、水をせき止めて利用します。水力発電の中には、夜間に火力発電所や原子力発電所で作られた電気で水を汲み上げ、昼間に電気が必要な時に、この水を落として発電に使う揚水発電所もあります。
風力発電 風の運動エネルギーにより、風車を回し、発電を回す。陸上風力発電と洋上風力発電がある。

その他にも、地熱発電太陽熱発電波力発電潮流発電海流発電等があります。 また、運動(主に回転)エネルギー以外のエネルギーを直接電力に変換する発電には以下のようなものがあります。

燃料電池 燃料の化学エネルギーを直接電力に変換する発電。
太陽光発電 太陽光エネルギーを太陽電池で直接電力に変換する発電。
MHD発電 ファラデーの法則に基づきプラズマなどを用いて発電。
熱電発電 温泉水と河川水などの温度差を利用して熱電変換素子より発電。

最近は、再生可能エネルギーである、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電他の自然エネルギーを利用する発電方式が注目されています。 このように、電気のしくみや、いろいろな発電方式があることに目を向けていただけると、また電気に対して興味を持っていただけるのではないかと期待しています。

一般社団法人日本電機工業会 理科教育支援ワーキンググループ 委員 林 知幸
(株式会社 東芝 電力システム社 技術管理部 部長)