電気を語ろう!第4号

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JEMAの理科教育支援活動 電気を語ろう!第4号

理科教育支援ワーキンググループのメンバーのコラム、JEMA の理科教育支援活動をサポートしてくださる方々からのメッセージを紹介します。

「電気を見てみよう!」

昔から日本では、「地震、雷、火事、親父」なる怖いものの代表を簡潔に表現する諺がありました。昨今「親父」は怖いものから外した方が良い感じですが、「地震、雷」はまだ健在です。普通電気そのものは人間の目に見えず、それ故に電気を理解する事が難しい、と言われていますが、怖いものの2番目に「目」で見られる電気現象である「雷」が挙げられているのが興味深いところです。そこで目に見える電気現象 「雷」の様々な形態を今回写真で紹介したいと想います。

「雷」というと夏暑い頃雷鳴があって、大きな木の下に 逃げ込んだり、家の中に避難したりした経験をお持ちの 方が多くいると想います。夏季雷は下向きにステップリーダー が進んでいきますが、和歌山県で7月頃撮影された図1の写真でこの現象が良く理解できると想います。 反対に冬季雷は大地より上向きにステップリーダーが進む事が多く、福井県で1月頃撮影された図2が典型的な例であります。

昔電気を利用する前は雷はただ怖いもの、という認識で ありましたが、近年電気を多量に使用する様になると、 遠隔地にある発電所(火力、水力、原子力等)から消費地まで背の高い送電線で電力を輸送する様になりました。 すると背の高い送電線鉄塔に雷が落ち易く、(これを落雷 と言います。)送電線を手始めに、送電線に接続されて いる変電所に雷が侵入し、変電所機器が破損する可能性 がでてきます。そして停電が発生し、電灯が消えたり、 エレベーターが停止する等の被害が発生して生活の便利さが阻害される様になります。送電線鉄塔に落雷した瞬間の 様子を捉えたのが、図3の写真であります。

ここで息抜きに変り種の「雷」を御覧に入れたいと 想います。それは火山が噴火した時に岩石等が空気中を 高速で飛ぶ事により発生蓄積する静電荷が空気の耐電圧を上回った時に発生する、火山雷です。図4に鹿児島県桜島の火山が噴火した時に見られた「火山雷」 を示しますが、幻想的な雰囲気が感じられると想います。

以上の写真は通常のカメラで撮影されたもので、シャッターの 開放時間は数秒であり、ステップリーダーそのものは判別でき ません。最近NHKで2万分の1秒の時間間隔で撮影できる特殊カメラが紹介されました。そのカメラを駆使したステップリーダーの成長過程を肉眼で見られる様子が紹介されましたが、 技術の進歩により昔の人は見る事ができなかった極限の雷の秘密を平易に見られる様になってきています。 面白い時代に我々は生きていると想います。

私は雷から発生する過大電圧から電気の運用を守る避雷器やガス絶縁開閉装置の設計に長年携わって きました。雷により発生する過大電圧で「停電」を発生させない為に様々な避雷器の開発を経験し、 国内外に新製品を納入してきたのが、技術者として次の世代に語り継いでいきたい事であります。

図1 夏季雷(和歌山県7月撮影)
図2 冬季雷(福井県1月撮影)
図3 送電線鉄塔への落雷(神奈川県7月撮影)
図4 火山雷(鹿児島県桜島11月撮影)

(写真: 音羽電機工業株式会社 "雷"写真コンテスト提供)


一般社団法人日本電機工業会 理科教育支援ワーキンググループ 委員 齋藤 和弘
(株式会社日本AEパワーシステムズ 品質・環境本部 保守サービス事業推進室)