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JEM 1021:1996の廃止に伴う、お問い合わせの多い質問とその回答

2023.04.04
一般社団法人 日本電機工業会

当会では下記3つのJEM 規格を、2022年12月16日をもって廃止いたしました。

 a) JEM 1021:1996 制御機器の絶縁抵抗及び耐電圧
 b) JEM 1029:1991 制御機器の温度上昇限度
 c) JEM 1103:1996 制御機器の絶縁距離

これらのJEM 規格は、1950年代に制定されて以降、制御機器の各種要求事項を規定した規格として広く活用されて参りましたが、国際規格に整合したJISが制定されて以降長期間が経過していることを踏まえ、2022年12月16日をもって廃止いたしました。
なお、移行先は下記の規格となります。

 JIS C 8201-1 低圧開閉装置及び制御装置―第 1 部:通則
 JIS C 60664-1 低電圧電力システム内装置用絶縁協調―第1部:基本原則,要求事項及び試験

本ページではJEM 1021:1996にの廃止に伴いよくある質問(Q)に対する回答(A)をご紹介いたします。

お問い合わせの多い質問とその回答

Q

1. 当該規格に記載の「表1 絶縁抵抗の値と絶縁抵抗計の定格電圧」は、移行先の規格(JIS C 8201-1, JIS C 60664-1)に記載されておらず、何を参照すればよいでしょうか?

A

基本的にJEM1021は廃止されても、個社の判断で評価のよりどころとして使う分には支障はありません。絶縁抵抗の値(5MΩ)については、JIS C 4620、JIS C 8480、NECA C 0704にも規定があります。
ただし、機器の定格絶縁電圧に応じた「使用すべき絶縁抵抗計の定格電圧」については、廃止されたJEM 1021以外には、規定している規格は認識しておりません。
ご参考に、JEM 1021の表1と値は少し異なりますが、JIS C 1302:2018(絶縁抵抗計)の解説表1に絶縁抵抗計の主な使用例として、定格測定電圧と使用例が表で記載されています。

Q

2. 当該規格の移行先規格として、JIS C 8201-1、JIS C 60664-1が指定されていますが、印加電圧や時間及び結果判定に関し、絶縁抵抗試験、耐電圧試験の従来の試験方法が移行先規格に適合していると読み取ることができません。移行規格とされているため、無条件に適用規格として採用して良いのでしょうか。また試験方法等を見直す必要があるのでしょうか。


A

基本的にJEM 1021は廃止されても、個社判断で評価のよりどころとして使う分には支障はありません。
JEM 1021は定格インパルス耐電圧を持たない装置を対象としているため、定格インパルス耐電圧を持つ装置を対象とするJIS C 8201-1及びJIS C 60664-1を無条件に適用規格として採用できません。
定格インパルス耐電圧を持たない装置の判断に役立つ参照情報について、低圧の制御盤であれば、JEM 1460(配電盤・制御盤の定格及び試験)が参考になります。6.3.2に耐電圧試験の規定があります。ただしJEM 1460では、試験項目に絶縁抵抗測定を含めておりません(理由は、解説4.14に記載があります)。
なお、JEM 1460以外の規格では、JIS C 8480(キャビネット形分電盤)があります。7.1(絶縁抵抗)に「絶縁抵抗は,9.3に従って試験を行い,5MΩ以上とする。」との記載があります。